タンタンソビエトへ 1929年1月10日、「プチ・ヴァンティエム」紙の命を受け、タンタンはフォックステリアのスノーウィをパートナーにモスクワ行きの列車に乗り込みました。 タンタンにとっては大冒険の始まり、作者のエルジェにとっては彼のキャリアにおける本当の第一歩でした。 物語の舞台は、社会主義国として一人歩きを始めて間もないソビエト。 この国の真の姿を伝えるため、タンタンとスノーウィはモスクワへ向かいます。 しかしそこで待ち受けていたものは、実状を報道されることを恐れたソビエト・秘密警察の魔の手でした。
タンタンが冒険を終えブリュッセル行きの列車に乗ったことを知った「プチ・ヴァンティエム」紙の読者は、連載最終回当日、ふたりの帰還を祝って実際にブリュッセル北駅につめかけ、紙上のストーリーさながらの光景を現出させました。 以後タンタンは単なるキャラクターではなく、最も身近なヒーローとして、人々の心の中で生き続けるようになるのです。